燃料電池とは?

燃料電池は小型の発電所!

 実はこの原理が発明されたのは、古くはナポレオンの時代!実用化に至ったのはそれからずいぶん後の事ですが、あのアポロ計画でも燃料電池は採用されています。 ずいぶん縁遠い話に思えますが、最近よく耳にする「エネファーム」、これも燃料電池を利用したシステムです。自家製の電気や熱を利用出来るエネファームは、家庭用燃料電池の先駆け的存在です。 また、今後発売が予定されている最先端のエコカーは、もはや電気自動車ではなく燃料電池車です。


意外と身近にも存在するこの燃料電池、一体どんな仕組みで電気を作っているのでしょうか。


燃料電池の仕組みとは?

 燃料電池が発電する仕組みは、よく『水の電気分解の反対』と例えられます。化学は苦手だった・・・と言う方は、まず「水素+酸素=水」という事を思い出してみてください。そのうえで燃料電池の仕組みを見てみましょう。


@水素を燃料として送り込む
A水素が「イオン」と「電子」に分解される
B水素イオンが酸素と結びついて水になる


 これぞまさに化学反応と言う状態ですが、このAで分解された電子を、電気として取り出して利用するのが燃料電池なのです。この反応を起こす場所がセル、そのセルが何枚も重なったセルスタック、という形で燃料電池は構成されています。


燃料はどこから?

 酸素は大気中にある物を利用できますが、水素を直接取り込む技術はまだありません。そこで家庭用システムの場合、燃料となる水素は都市ガスなどの天然ガスを利用しています。その主成分であるメタンがわずかながらも一酸化炭素を発生させてしまいますが、エコの観点からはそれを低減させる技術も進んでいます。

 また、燃料電池車の場合は、ガソリンスタンドならぬ水素ステーションで燃料を補給します。ただしこの水素ステーションは、計画中の物を含めても全国60か所程度。水素ステーションの建設費は、従来のガソリンスタンドの5倍程度かかりますから、この辺りがネックになっているようです。燃料電池車が普及するためには、本体価格の低下だけではなくこういった維持設備の整備も必要になってきますね。


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