燃料電池車とは? 他のエコカーと比較します

究極のエコカー 燃料電池車

 2014年11月18日、とうとう世界初となる燃料電池車がトヨタから発売されます。長らく「未来のエコカー」だった燃料電池車(FCV)は、今や誰でも手に入れられるエコカーになろうとしています。


経済性は?

 今回発売されるトヨタの燃料電池車、「ミライ」は本体価格が700万円程度となり、政府の補助金等によりユーザーの実質負担は500万円程度になるそうです。一時期は「1台1億円」とも言われていた燃料電池車ですが、街中でよく見かけるクラウンハイブリッドなどと同じくらいの価格で購入できるくらいに価格が下がっています。

 気になる燃費ですが、ガソリン車と比べると残念ながら高くなるようです。リッター15Km/Lのガソリン車は1Km走るのに11円程度のガソリン代がかかります(160円/Lで計算)。一方水素は現状120円/Nm3しますので、満タン約110Nm3で600Km走るとすると、1Km走るのに22円もかかってしまいます。この値をガソリン車に換算すると、ハイオクでリッター7.7Kmとなり、レクサスLSの実燃費7.25Km/Lと同じくらいになります。  2020年の水素価格の目標が40円/Nm3なので、ここまで下がると1Km走るのに7.3円となり、現在のエコカーの王者であるハイブリッドカー「プリウス」と同等の燃費になります。エコであることに疑いの余地はありませんが、まだまだ高嶺の花ですね。


 車両価格・・クラウンハイブリッド並
 燃費・・・・レクサスLS並


利便性も高い燃料電池車

価格だけ見るとしばらくは「様子見」になりそうなFCVですが、他のエコカーにはないメリットがたくさんあります。


究極のエコ

 燃料電池車に充填される水素には石油・天然ガス由来のものもありますが、製油所や化学プラントで副産物として生まれるものや、木材や汚泥などバイオマス由来のものもあります。こうしたエコな水素を使えば走行中だけでなく、生産過程で発生するCO2もほぼゼロとなり、電気自動車やハイブリッドカーと比較にならないほどエコです。


3分で充填完了!

 水素を充填するのにかかる時間は3分程度とされており、ガソリン車の2〜3分と比べても遜色ありません。電気自動車では満タン充電するのに8時間、急速充電でも30分かかることが普及のネックとなっていますが、FCVはこの点かなり有利です。


航続距離が長い!

 燃料電池車の航続距離は700Km程度(ホンダのFCXクラリティは620Km)とされており、コンパクトカーと同等の航続距離を持っています。電気自動車は長くてもせいぜい200Km以内なので、比較になりませんね。2交代で1日350Km程度走行するタクシーにも導入できそうです。


圧倒的加速力

 燃料電池車はモーターで動くので、エンジン車とは違った走行感になります。モーターはエンジンとは違って低回転でもパワーが出せるので、走り出しはかなり良さそうです。