燃料電池の環境性能を解説します

燃料電池はエコでクリーン!

 燃料電池は再生可能エネルギーを利用して発電し、その過程で有害物質が発生しません。この事から、「燃料電池はエコでクリーン」と言われています。つまり、環境に優しいと言う事ですね。
 ちなみに再生可能エネルギーとは、太陽光や水、空気のように元々自然界に存在するエネルギーの事。光や水は、人間が利用するより早い速度で自然から補充されますから、いくらでも復活しますし再利用できます。燃料電池が使用する酸素や水素は、この再生可能エネルギーに当たるわけです。


燃料電池車が出すのは水(水蒸気)だけ!

 では、いかに燃料電池が環境に優しいかという事をガソリン車と燃料電池車で比較してみましょう。
それぞれの車が走行する際に排出する物は、


ガソリン車・・・二酸化炭素(CO2)、窒素、一酸化炭素、炭化水素など
燃料電池車・・・水


 ちなみに平成25年の国土交通省発表のデータでは『CO2総排出量…12億7000万t(内2億3000万tが運輸部門)』となっています。


 この「運輸部門」のCO2排出量8割以上を占めたのは、飛行機でも新幹線でもなく、各家庭にある自家用車。つまり、ガソリン車だけで日本全体の1割に当たるCO2を排出していたのです。
 また、CO2が地球温暖化の大きな原因であるのは有名ですが、炭化水素も大気汚染の原因となり近年中国では社会問題に発展していますね。日本では排ガス規制法が始まる1966年以前に比べて、ずいぶんマシになってはいますが、やはりガソリン車が環境に与える悪影響は計り知れません。


燃料電池はさらに「エコ」な形へと進化

 対して燃料電池車が排出する物は、「水」だけ、正確には水蒸気の状態で排出されます。もちろん従来のガソリン車も水蒸気を排出していましたが、それで道路が水浸しになる事なんてありませんでしたよね。


 そして現在、燃料電池への取り組みはさらに急ピッチで進められています。将来的には工場の排ガスを利用して、燃料である水素を取り出す過程でも一切CO2が出ない、究極にエコな燃料電池の誕生が待ち望まれています。