新しいエネルギーとして注目されている「燃料電池」。今までの発電方法との違いを比べながら、メリットとデメリットを見ていきましょう。
燃料電池のメリットは?
@発電効率が良く、送電ロスがない!
火力発電は燃料を燃やし、できた水蒸気でタービンを回していますから、そちらに多くのエネルギーが奪われて発電効率は40%程度。そして、発電所から一般家庭に送電する時さらに5%の電気が失われてしまいます。 家庭用燃料電池はまずこの送電ロスがありませんし、化学反応のエネルギーが直接電気に変わるので発電ロスもほとんどありません。つまり、無駄がありません。
A常に安定供給!
火力発電で使用するのは主に石油ですから、輸入価格の変動や資源の枯渇への不安は絶えません。それに比べて、燃料電池は水素と酸素さえあれば発電することができます。 地球に大気がある限り、永続的に安定供給が見込めるエネルギーです。
B稼働中も静か!
燃料電池はモーターもタービンも使わず化学反応を起こしているだけですから、騒音は発生しません。 昔ながらのガス給湯器よりも静かに電気を作ってくれます。
環境に優しい!
火力発電ではCO2が、原子力発電では放射性廃棄物が発生しますから、やはり環境問題が心配されます。燃料電池で発電する時に出来るのは水だけです。 有害な副産物が発生しないのでエコ、そしてクリーンなエネルギーと言う訳ですね。
燃料電池のデメリットは?
@初期費用が大きい
最大のデメリットはやはりその価格です。以前より下がったとはいえ、代表的な家庭用燃料電池システムの価格は200万円弱。今の時点では、エコ意識の高い富裕層などの限られた家庭にしか手は出せません。 一般家庭で普及し始めるのは、量産化で価格が下がると予想される2020年以降でしょう。
A寿命がある
燃料電池を利用した車やシステム自体に10年の保証があっても、燃料電池の寿命は約4万時間。平均的な使い方で10年持てばいい所、実際は7,8年と言ったところのようです。太陽光発電システムでも同じ事が言われていますが、初期投資金額が大きい物は、長い目で見なければプラスになりません。 寿命が来るまでに、必ずしも納得できるだけの光熱費やガソリン代の削減につながるか、は少し微妙なラインです。