モバイルバッテリー型燃料電池

ポータブル燃料電池もすでに発売済み!

 実は2012年、すでに日本産のポータブル燃料電池が発売されていました。ローム社とアクアフェアリー社、そして京都大学が共同開発した物です。このAF-M3000と言う商品は携帯電話の緊急充電用を想定していますから、同じく緊急充電用の電池式充電器と比較してみましょう。


経済性は?

 現在、ほとんどのノートパソコンがリチウムイオン電池を採用しています。ハイパワーで低温にも強いリチウムイオンですが、残念ながらメーカーが「消耗品」と明言しているように、寿命は意外と短い物なのです。1年で蓄電量が25%減ると言うデータもありますので、「2年が交換の目安」と言われるのも妥当でしょう。交換用バッテリーは1万円前後、この定期的な出費は快適にPCを使うためにどうしても必要になります。
 さて、現在開発中のPC用燃料電池はと言うと、これは内蔵ではなく外付けタイプの物をイメージされていますが、実売価格や詳細なスペックはまだ発表されていません。まだ実用化に向けての技術が確立されたばかりのPC用燃料電池が、何故ここまで期待されているのでしょうか。


パワフル、長持ち、エコロジー!

出力が大きい

 P燃料電池の出力は3.5W。充電用に使うアルカリ乾電池は1.4V・2000mAhで、理論上めいいっぱいの出力を出したとしても2.8Wです。出力が高い分パワフルで、充電時間も短くて済むと言う事です。


乾電池より長持ち!

 乾電池の場合、長期間保存しているうちに液漏れなどで使用不可能になってしまう事があります。それに対して10年ほどの寿命が見込まれる燃料電池は、ここぞと言う時にも頼れる存在です。


水さえあれば充電可能

 もちろん本体とカートリッジは必須ですが、水さえあれば発電することができるP燃料電池。エコロジーなのはもちろん、非常用の小型発電機としても期待できそうです。